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次にフィリピンにおける行動計画の実施の状況についてお話しします。
現在の時点で具体的な成果をお話しするのはまだ時期尚早ですが、国家レベルでどのような行動綱領が実施されているのかについてお話ししたいと思います。皆様方の国でもいろいろな実践がなされていると思いますが、フィリピンにおける活動をご説明します。
現在、フィリピンで行動綱領実践のためのいろいろな法案が出ています。まず最初にそのうちの1つとして、ジェンダーを十分考慮に入れたフィリピン開発計画が策定されました。これは、1995年から2025年までの30カ年の開発計画で、1995年9月11日、ラモス大統領が発令しました。
当時、私どもは北京にいてこのメッセージを受け取りました。この30カ年計画は、フィリピンの女性の役割に関する国家委員会とフィリピン政府の機関である国家経済開発省が共同で作成したもので、政府当局すべてと女性NGOが積極的に参加して、包括的なプログラムと行動計画を、国レベルで導入していくものです。
ここの目標は、開発の恩恵を男女が平等に受けることです。この30年計画は、フィリピン国女性開発計画の後を継いで、導入されたもので、非常にジェンダーを意識した政策を盛り込んでおり、今までの古い考え、固定観念を打ち破るものです。
第2番目に導入されたメカニズムは、女性に関する予算です。いかに革新的な政策でも予算が割り当てられなければ、実現することができません。政府がいかに政治の場から女性の問題に対処しているかということの答えは、やはりお金が出ているかいないかということにあると思います。
1995年の一般会計法案は、ジェンダー関連プロジェクトに予算をつけ、ジェンダーと開発の活動に対して予算を割り当てる、ことが明らかに示されています。政府機関がいかにこのような法案を有効に使っていくかという方針は、Womens Budget Philipiines1995年、1996年の報告書に見られます。1996年のこの政府案では、セクション27に「すべての部局が最低、1996年の予算の5%をジェンダーの問題に投入すること」と書いてあります。「各部局は予算を作る際に、ジェンダー関連事業の割合を予算管理書として提出し、さらに報告書を提供すること」ということです。
北京の2年ほど前に導入されたのが、開発と国家建設における女性の役割に関する法案です。これは非常に重要な法案(R.A.7192共和国法令)で、基本的な男女の平等を確保した法案としてフィリピンの女性の役割を強化しています。また、海外からのODAが、この女性に関するプログラムと活動に投入されるべきであるということです。
その他にもいろいろな機構があります。まず、最初に大統領の方から働きかけていただくことで閣僚すべてにこの北京の行動綱領を理解していただき、それぞれの省、役所のもっとも重要な活動に盛り込んでいく。2番目には、この社会開発案の中で行

 

 

 

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